氷ノ山とその周辺
秋休みの続き。知人を訪ねるついでに、氷ノ山とその周辺のおもに天然林を回ってきました。兵庫・鳥取・岡山の3県にまたがる広いエリアを左回りに1周しながら、つまみ食いのように5箇所を訪問。
森を訪れた備忘録です。樹種判別など不正確な場合があることご承知おきください
秋休みの続き。知人を訪ねるついでに、氷ノ山とその周辺のおもに天然林を回ってきました。兵庫・鳥取・岡山の3県にまたがる広いエリアを左回りに1周しながら、つまみ食いのように5箇所を訪問。
秋休み、最初の一日。瀬戸内海で淡路に次いで2番目に大きい面積150平方kmの島へ。森林のイメージはあまり強くありませんが、森林率は68%と香川県全体(47%)にあっては高い値です。年平均気温15℃、年降水量1,100mm という温暖少雨な気候の中、瀬戸内海で一番高い山(最高標高817m)もあり、複雑な地質・地形もあいまって多様な森を見ることができました。
北海道の中南部、太平洋に面した白老町。ウポポイ・国立アイヌ民族博物館が開設されたポロト沼の畔にクリの保存林(国有林・クリ遺伝資源希少個体群保護林)があると知り、秋の一日散策に出かけました。クリは道央まで自生していますが、アイヌの神話には和人の住む内地から移入したという話しがあるそうです。栽培技術の伝播があったのでしょうか?
阿寒は、北海道の中でももっとも原生的な森林が残っていると言うことができる地域です。大径木・高蓄積の森にこれだけ近くアクセス(登山道から、ときに車道から) できる箇所はほかにありません。火山や湖の存在がつくりだす多様さも魅力です。
富山・石川滞在の最終日、午前中少し時間があり、快晴の空を見てどこか歩きに行きたくなりました。この日の富山の最高気温は34度。低山日和とは言えませんが、海に近い立地なら、と選択。
ヒノキアスナロは、ヒノキ科アスナロ属(Thujopsis)に属する、アスナロの変種です。北海道の渡島半島南部から栃木県日光付近、および日本海側の佐渡から能登半島、という少し変わった自然分布をしています。青森では「ヒバ」と呼ばれて有名ですが、能登ではアテ(档)という地方名を持ち、独特の林業が形成されています。
天塩山地の南に位置する三頭山。幌加内町の市街や、雨龍研究林のフィールドからよく眺められる、緩い3つのピークを持つ山です。比較的低標高でつらなる天塩山地の中で、数少ない1000m峰(標高1009m )。
自生地が東北南部まで、という樹種は多くあります。カシ類もそのひとつ。宮城県角田市にある斗蔵山(標高250m)はウラジロガシの自生の北限として保護林に指定されています。藩政時代は、槍の柄に使われるカシが保護された「お留山」だったそうです。堅いカシ材が、槍に必須だったのでしょうか。
「魏志倭人伝」に「土地山険・多深林」と描写された対馬。長い歴史の中で、古来から信仰の対象となってきた山々には原生的な森林が残されています。以前からずっと憧れていたこの島を、今回はじめて訪れることができました。
熊野川。流域面積2,360km2のうち、平地の面積はわずか14km2。森林率が98%に達する日本屈指の森林流域です。古くからの信仰や、森林利用の歴史・文化を持つこともあわせて、森林のことを考えるうえで本当に特別な地域です。