千歳川
冬を前に、あちこち巡っています。紅葉の時期、人が少なさそうな散歩道をさがして、千歳川沿いへ。
今回は公共交通機関利用、千歳駅から支笏湖行きのバス。土曜ですが、空いていました。私は支笏湖に行く乗客に見えたことでしょうが、途中で下車。サイクリングロードが整備された道に沿って下流方面に歩きます。
道は、千歳川の川面が見える程度の高さにあり、その間の斜面に広葉樹林が生育しています。
アズキナシ。気品のある黄葉です。
カツラが多く、大径木の存在感がありました。
ドロノキ、ケヤマハンノキ。
ヤマモミジ。自然分布は旭川以南なので、北の研究林では見ることができません。この時期、鮮やかな色づきが羨ましくなります。
ハウチワカエデ。
クロビイタヤが現れました。北海道から東北、長野などに隔離分布する希少種で、河川に沿った湿地に 生育します。 植物学者で、北大植物園の初代園長である宮部金吾が新種として発見したことから(学名はAcer miyabei)北大委植物園のシンボルマークにも採用されています。千歳川の流域はまとまった自生地として知られており、今回の目的樹種でもありました。
こちらはイタヤカエデ。上のクロビイタヤのすぐ横にあったもの。色合いがそっくりです。
幹。イタヤカエデ(左)、クロビイタヤ(右)。最大サイズはだいぶ異なっています。後者のこの日 見かけた最大サイズは直径20cmほどでした。
カエデが豊富です。近くで、道北にはないカエデをもう1種発見。ミツデカエデ。石狩低地の縁辺までの分布だそうです。
下層から中層の優占種はサワシバ、キタコブシ。
ハシドイも多く見かけました。
ヤマグワ、ミヤマガマズミ。
カンボク。よい色合いです。
ウサクマイ遺跡の看板。擦文時代(1400-800年前)の集落の跡とのこと。千歳川から比高10mほどの立地。
下層は開けていて多くの稚幼樹が見られました。
歩道がつけられた遺跡内。窪みが住居跡なのだそうです。
ハルニレの大径木がみごと。トドマツは、今回、他ではほとんど見かけませんでした。
オニグルミ、クリ。遺跡の周辺には、実が食糧となるこれらが多かったりしないかな?とも思ったのですが、特段そのような感じはありませんでした。集落として利用されたのは800年前までとのことなので、当然かもしれませんが。。。これらは、 今回、コース全体を通して、あまり目立ちませんでした。
同じく、少なめだった構成種。 シラカンバ、アサダ、コシアブラ。
いったん千歳川の本流から離れて国有林の林道へ。林道から30mほどの箇所に「林木遺伝資源保全林」の看板。
保全の対象はハルニレ。林内の様子。
このあたりから斜面上の平坦地にはミズナラが優占する箇所が広がっていました。林床はミヤコザサ。
林床がオシダ、フッキソウの箇所。
林道に沿って、企業との分収育林地が並んでいました。
紅葉が続きます。ハクウンボク、クマイチゴ。
ヤマウルシとツタウルシ。この時期の華やかさに貢献しています。
ふたたびクロビイタヤ。今回、あまり多くは出会いませんでしたが、堪能しました。
国道に戻り、ナイベツ川と千歳川への合流点。公園になっていました。ここから300mほど歩き、新星からバスで千歳駅へ戻りました。