福岡・古処山 英彦山
福岡でふたつの山を巡ってきました。どちらもすばらしい森があります。
9月17日 この日は朝倉市秋月から古処山へ。
登山口の神社。しばらく川沿いの道を歩いていきます。よい天気で緑があざやかです。
40分ほどで林道終点。このあたりから天然林が現れてきました 。急登していくと岩礫の斜面。ここに今日の目的の木が。
ツゲです。この山の山頂付近は「古処山ツゲ原始林」として、国の特別天然記念物に指定されています。
ツゲは常緑低木で西日本の暖地に分布します。この山も含め、自生地の多くは石灰岩地です。この、ツゲの優占度の高さは、他ではあまり見られないとのこと。
直径30cmほどの大径木もありました。見事です。樹齢1000年に達する木もあるとのこと!ツゲの英名はboxwood(学名はBuxus)。箱細工に利用されたからだそうです。日本では櫛の材料としてとくに有名で、他にも将棋の駒などで最高級材とされます。
小さな葉に気品があり、見とれます。遠くからみても、つやのある緑がまぶしいです。
山頂。標高は860m。筑後川に沿う朝倉の平野。
帰りは同じ道を戻りました。スギの人工林。
秋月は城下町。町中から古処山を振り返ったところ。半日、満喫しました。
9月18日 翌日は信仰の山である英彦山へ。
急な石段を登りきり下社に到着。ここから山頂の上宮への参道もありますが、回り道することにします。
ときに道がわかりにくい箇所ありながら、古くからの修験の道を進みます。
モミ。意外と登り下りが続きます。
鬼杉。回り道をしたのはこの木を見るため。直径4m、樹高は、上部が折れたとはいえ38mに達する大木で、樹齢は1000年以上との説明書き。
ここからはきつい急登。歩き始めてから3時間半で中岳(1199m)山頂の上社に到着し、参拝。
霧が出てきました。ここから北岳にかけて、ブナ林が広がっています。林床はクマイザサ。
しかし、この森林は枯死木、衰退木が目立ちます。1991年の台風の影響が大きいそうですそこで、植栽による保全活動も行われていました。
北岳を過ぎ、岩礫の多い北斜面の下りになると、見事なシオジ林が広がっていました。樹高25mほど。九州では最大規模の群落だそうです。
高済神社へ下山。小学生が遠足に来ていました。約6時間で登山口に戻りました。最後に、有名な銅の鳥居。
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下山後、くるまで30分ほど走り、東峰村小石原へ。
小石原遺伝資源保存林へ。樹齢200-600年のスギが見られます。鎌倉時代以降、英彦山に入山する修験者が奉納のため植栽したと言われています。
通称は行者杉。その中で最も大きい大王杉。直径2.6m、樹高52m。そして、右に小さく見える
石柱が豊前と筑前の国境を示すという、境目杉。別名は国見太郎。
小石原は焼き物の町。窯元の向こうに行者杉が望めました。