森を訪れた備忘録です。樹種判別など不正確な場合があることご承知おきください

森を見に行く 

網走湖岸

2024年05月11日

オホーツク沿岸の海跡湖のひとつ、網走湖。畑地が広がる周辺の低地には、かつては広大な湿地が広がっていたと考えられます。その中で「奇跡的に」残されたのが国の天然記念物に指定されている女満別湿性植物群落です。

津軽海峡。本州と北海道の最短距離は18.7kmですが、動物相はそこで大きく変わることが知られています(ブラキストン線)。植物では動物ほど明瞭ではないものの「北海道にだけある」「北海道にはない種」は少なくはありません。前者はモミ属(トドマツ)、トウヒ属(エゾマツ)、後者はスギ、マツ属(アカマツ、クロマツ)が挙げられます。広葉樹だと、ブナが渡島半島中部まで生育することがよく知られるように海峡を超えて自然分布する種が多い印象ですが、もちろんその限りではありません。

伊豆。半島で海に囲まれていますが、一方で「天城越」に描かれる山地のイメージもあります。実際、平地は少なく、森林率は80%ほど。温暖で年降水量が3000mmを超える湿潤な土地でもあります。古来「日本書紀」に、すでに森林に関するとても印象的な記述(→最後に)があり 、江戸期には幕府直轄の「御林(おはやし)」として森林が管理されてきた長い歴史をもっています。

島根半島の北、浅い海をはさんで40~80kmの日本海に浮かぶ隠岐諸島。1800種とも言われる植物種が分布する一方で、離島にしては固有種が少なめであることも特徴なのだそうです。

紀ノ川と熊野川の二つの大きな流域を含む奈良県吉野郡。人口1000人ほどの天川村は、近畿地方の最高峰、大峰山系・八経ヶ岳から北西に流れる天の川(→十津川→熊野川へ) の流域に位置しています。

荒川の源流域一帯、秩父。東京近郊にありながら、ひときわ山深い印象のある地域です。最上流に位置する秩父市では森林率が84%、天然林率が60%とイメージどおりの高い値。以前から、秩父山地(いわゆる奥秩父)の天然林を歩いてみたいと思っていました。

木曽 夏休み

2023年07月14日

木曽川の上流、長野県と岐阜県にまたがる木曽谷。いうまでもなく、日本を代表する森林地帯です。ヒノキを代表とする針葉樹資源が豊かで、江戸時代には、木曽川の水運を利用して尾張藩の林業生産地として発展しました。乱伐されたた時期もあったものの、森林の保護・育成も進められ「日本三大美林」のひとつとして現在に至っています。

春先の、出かけたくなる季節。思い立って利尻を訪れました。いくつか見たいポイントを以前からリストアップしていたのですが、その情報が急に集まってきて、機が熟したのを逃さずに計画。

サロマ湖・幌岩山

2023年05月07日

北海道の東部、オホーツク海の沿岸は、知床半島を除けば緩やかな地形が続き、高く目立つ山は多くありません。サロマ湖に接する幌岩山の標高は376m。ふもとをくるまで走っても、気にしなければ目に入らないような山容です。ただ、広葉樹の多い山腹は、とくに春や秋には気になる存在でした。

山口・飯ヶ岳

2023年04月16日

山口市から北東に20km、島根県との県境に近い飯ケ岳。標高1000mに満たないこの山の一帯は滑山(なめらやま)の名で、歴史に登場します。時代は800年前、鎌倉時代。源平合戦によって焼け落ちた東大寺大仏殿の再建にあたって、この地の木材が使われたことが記録に残っているのです。